言語の螺旋

言語の螺旋
陰陽五行でいうところの水の流れがいいところ

2010年12月26日日曜日

華やかなりし君よ

ぼうと突っ立っている

メリーゴーラウンドは回り続ける

プレゼントはどぶに捨てた

生き地獄をみるのがスキだった

深夜の公園でゴミ箱をジャイアントスウィング

回転木馬が先着を争っている

行き着く先のない争いだった

ぼうと立っている

突っ立っている

観覧車は最高潮のところで止まってしまう

分かれた彼女と二人っきりだった

仕様がないのでべろを口の中に入れた

深夜の公園では回転しながら小便を飛ばした

観覧車が今動き始めた

唇を離して糸を引いた唾

ぼうと突っ立っている

愛すべき脇ぐるみのパンダ

汗臭い

funnyなしぐさがはらわたが煮えくり返った

そんなパンダにもジャイアントスウィング

別れた彼女は無邪気に笑った

一通り回ったので週末を消化するためにポップコーンを食べた

塩味が足りなかった

頬を伝う涙でちょうどよい加減になった

2010年12月25日土曜日

頬杖つく

聖夜だなんて嘘だ
こんなにも寒いのに
温もりが欲しいのに

11秒5
イキを切らせ走っている
美しいのはその後姿か

腹筋が発達している
優しさを
ポッキーを

ケンタッキーを食べた
胸焼けがした
君に電話をした

体操は得意だ
少女時代の踊りより
スムーズだ

2010年12月24日金曜日

笹井宏之

食パンの耳をまんべんなくかじる 祈りとはそういうものだろう   笹井宏之

かじった跡の歯型
ほらごらん
これが幸せというものだからなの

骨盤が歪む
浪費される
情熱

恋したいの
なんて
没個性なんだから本日は

ぞめき
蠢き
春を待つ今夜

見過ごす大切なもの
光をみつっけった
悩んでる爽やかな

帆を立て海を渡ろうガイアの果て

色とりどりの生命体
kissは口でするもんだと
dreaming

冬の冷たさ
心に開いた穴
眠る前

届かない
近づかない
気持ち悪いよお前

携帯
握り締めた夜
誰も気付かない
前夜

merrymerrymerry
 なんて
目線を合わせたのは
気分のよい昼だから

2010年12月23日木曜日

ひわいな香ばしさ

生きている
標準語を使わないまでも
疲れている

人を選ぶ
賎民だの
いつくしいだの
かまわず振舞う

刺青と背中が語った
人否人
これがオレの生き様なのかと

つぶらな瞳
ついていけないと
せめてものI love youが語る

意外な角度から
身を沈める
吐息
恍惚
喘ぎかと 

2010年12月22日水曜日

笹井宏之

四ページくらいで飽きる本とかを背骨よりだいじにしています

あと5分
 なんて刹那に
 メガネをはずし磨く


みせてみて?
 ほらいったとおりに
 鎌倉書院造


五体満足
 でも
 ほんのすこうし心が罅割れている


ふとももにもたれ
 恍惚とした顔で
 夏を懐かしむ


空には本
 なんていっていた文筆家がいた
 なんてのも過去

2010年12月21日火曜日

基本的に、「人間

基本的に、「人間と いうのは自然の一部分である」ということを知ることが必要ですね。人間は自分たちのメリットのために、自然を壊してきました。それが文明ですよね。 かつて、生物の進化に対して、ダー ウィンが自然淘汰(とうた)という考え方を出しました。現代はまさに「自然」を「文明」に変える時期にきていると思います。文明淘汰の時代なんで す。 今の文明では、自然を変えて、安全、安心を安易に優先してきました。しかし安全、安心を確保するということは人間の多様性をなくしてしまうということで しょう。教育でもそう。ここを安全にしましょうといって、悪い人がこないように完全なガードをかためる。もしくは、子どもに、こういう遊びは危ないからや めなさいと言う。しかしそれは、子どもの自由な発想にブレーキをかけてしまいます。そこに気がつかないことが怖いですね。だって、生物が生き延びることが できるポイントは多様性にあるのですから。文明の何が正しくて、何が正しくないのか。われわれにとって何が一番大事か、その淘汰を迫られているのが現代で す。

2010年12月17日金曜日

詩「なりあがり舞いあがり」

なりあがりまた舞いあがり

海馬の限界を越えて

ニカワの臭いの絵筆を置いて

誰かの模写でしかないキャンバスにうんざり


非常階段の影では親密な空気

二人だけで完結し明日も繰り返し

夢の中では君とは旅路


フルスロットルのスーパーカブのアクセル

風になびいた肩までのびた髪

知らない地名に発見が

いつか見た風景であることに愕然


田舎の国道でも独り

家に帰ったとしても独り

会いたい君は手の届かないところへ去った

ガソリンもそこをつきかけているのだ

存在を定義する優しさにかけているのだ


ふと口をついてでてくるのはAMラジオの曲

燃焼するガスが排気となって自己主張する


なりあがりまた舞いあがり

懐かしさがこみあげてくるのは君に貸した本

しおりがわりの付箋に一文、告白と

すでに読み終えた文庫本が現在進行形にかわる


めだかを泳がせておいた水瓶

知らないうちに数も増えて自然淘汰

眠られない夜は形而上の水面


繋ぎとめたいだけのネットの電波

最新の書き込みは2時間前

読むのも億劫な指先

顔も知らない誰かのつぶやきに共鳴


アンテナが建っていても独り

家の中でも独り

知りあいたいはずの君にも声が届かない

鉈で叩きつけようが、君はもういないんだ

客観されたくっても誰もいないんだ


牛乳を買い忘れていたことに気付く

雨が降る前の低気圧が豪とうなって窓を揺らすのだった