「狗に名をつける」
という劇詩を書いた。
校内全体の掲示板仮デザインのチラシを貼った。期限切れの雑多な他所の団体のものは回収しながらだったので事の成りゆきをわかっていないものから顰蹙をうけた。困ッタモノダ。
数多いるネコのなかで家では二匹(シロとクロ近親)だけが足元で認知し上向いた。機嫌がいいときは上向いてさらに鳴いた。草臥れてかえった夜半には心が動いたものだった。うまく調子があわないときには、無雑作に毛をまさぐられるのが嫌だからか一定の距離を量った。
概ねネコとよばれるモノタチそれぞれがそれぞれの外見(三毛だの縞だの)を身につけ彼あるいは彼女ら性分か後天的経験則のどちらかを自我として いる。当然だがそれが個体だから春が好きだったり湿った固形食物は喰わんとか若年性アルツハイマー症におびえて神経衰弱に陥ってしまったり文学はモー パッサンをこのんでいるモノタチetcetc・・・
「かもめはかもめ」と謡ったのはヒトですが
にゃーと鳴いたらにゃーと鳴きかえすものですかそうですか。他人の不幸を聞くのが嫌眼にはいるのも嫌どの文脈で不整脈が発するかわかったもの じゃぁないので常にきんちょうしていなくっちゃぁわかんないから人差し指で蓋をする。三半規管に安らぎを聖地に向かって拝礼。独り無宗教なモノが立ち呆 け。見まわすとそれぞれみんな別方向。ア、シマッタシマッテシマッタイワセタロー連合。今日はブラとパンツがバラバラだから駄目。今日は槍と陰茎 ケースが黒サイでおしゃれ合格かも。統計論でた値はヒトは冬を楽しもうと雪を溶かしてみたり積もらせてみたりで躍起になってしまう。その上で平たくて細い 板二枚つかったり幾分太い板のそれで雪の上を重力を利用しながら下る。ふりむけばいっぱい過ぎるくらいのすべり跡。つわものどもかしらどうかしら?
狗(多くの愛犬家様方にはお詫びします)はかつて狼だった。森にはいる幼児や視力が萎えたモノタチ
のヒトらしい臭いが好物だった。姿勢を深く沈めて足裏の肉球で自らのたてる音を殺し獲物に近づいた。知恵のある雄を中心に風下からと逃げ道を塞ぐ 若い衆に分かれてtarget保持。森はいっそう深く。声なき声を察知した手下どもは事前の予定通り動く。方々から草叢で音をたてるモノ。近づきつつやた らと吠えるもの。獲物がひるんで先を急ぐとたちまち寸前まで追いつくモノ。鋭敏さとよくよく磨がれた爪と耳鳴りの残る警告の声。完璧な作戦。振りかえった モノはまさか。ニヤリと笑った。ヒトが怖いヒトが怖い。ヒト・・・
決められた時間にトイレし歌を歌えといわれれば歌い地に伏せると撫でられる。いうことを聞く。
家族制手工業で貴方の元にかわいいワンちゃんをとのたまう文句。下記細かい仕様云々・・・梱包され出荷を待つ狗タチはじっと眼を閉じている。
稽古の終わりに連れと好みの焼き鳥屋で晩御飯。いつもより混んでいた。上着をぬいでから避けがちなカウンターしかあいていないことを確認し座っ た。飲み物が出てきて流れで乾杯。奥の座敷が滅法賑わっていた。その日はハズレだ。連れはタバコを呑んでいる。動員の目論見とOB確認。いつもと変わ らない展開に目前、塩皮、ヅリ、椎茸と並ぶ。串から具を抜きながらハナス。おかわり。ちょっと高いけれども其処のネギマは旨かった。
次にはいってきた客が二人。中肉中背の色が黒いやつ。まだカウンターをつめろという。だから嫌だったんだ。「アレ?!みたよ?!チラシ!!」赤 い上着のメガネがこっちにいきなり振ってきた。「カッコイイぜチラシッな!?」未見な男達のもとにも飲みモノが・・・流れで乾杯?「ミニ行くゼ?! ナッ!‘イヌになをつけろ‘ッ」・・・舞台専攻のやつらだった。つけろ。ドウトデモ呼ンデクレ。
彼らとに開いた海溝は深く静謐で永遠を思わせたのだった。