言語の螺旋

言語の螺旋
陰陽五行でいうところの水の流れがいいところ

2011年12月9日金曜日

「ボクの窓の外」

ボクは世界のルールであろうとした

みんなはボクの一声に沸きかえった

今はひとりで夜を過ごし朝もひとりだ

朝の閑散とした街を見下ろすと自然と涙があふれた

いつものことだ

かつてボクは賽を振った

ボクの出目に権力者の目は脅えた

みんなの歓声は鳴りやまない

「まさに古き支配者はいなくなった!これからはいいことずくめだ!」

冷静になれよボクは鍵を手にしただけだ

次の壁は迫っているのに

ボクの城がすでに建てられていることに気づくと

それは塩で固められた柱や砂で囲われた壁だったただの虚飾だった

*イェルサレムの鐘の音が高らかにきこえている

ローマの十字軍は口をそろえて謳う

そして鏡よ、剣よ、盾よボクのものに!

ボクの信奉者たちは布教のためにこの地を去った

どうしてこうなったかなんてまったく理由は説明できないが

きみが去ってしまってからは

みんなの正直な気持ちは閉ざされてしまった

そこはボクが統べる世界の中でのことだった

  不吉な嵐のときだった

ボクを吹きつけて引き入れた

崩れた窓枠そこに叩きつけるドラムの音

みんなはいずれ変容を遂げるのかとボクをいぶかしんでいる

銀盆の上にボクの首が掲げられるのを革命家は虎視眈々と待つ

まったく1本しか糸がない操り人形のようじゃないか

王になりたいなんて一言もいっていない

*イェルサレムで鐘が高らかに鳴り響く

ローマの十字軍は口をそろえて謳う

そして鏡よ、剣よ、盾よボクの手に!

ボクの信奉者は異国へいったままだ

いったいなぜこうなってしまったかなど釈明すらできない

わかりきったことは聖ペトロはもうボクの名を呼ぶことは2度とないということ

誰も導きなど与えてはくれなくなってしまった

これがボクが統べていた世界の中でのことだった

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