言語の螺旋

言語の螺旋
陰陽五行でいうところの水の流れがいいところ

2011年12月26日月曜日

戦争の合間

一羽の鶏に米と薬味の人参を詰めて炊くところからはじまる

アルミ製の寸胴の

無骨ながらも安泰たる

釜火の炎に沸沸と

湯気とともに立ち昇る黄金の芳香が

もちあげられた蓋からシトシトと

薪をくべよ炎を絶やすな

革靴の音も高らかに

王宮へ行軍するヒトビトの表情は堅い

たとえ一騎当千の槍使いからしても

曇天から放たれる雷をもってしても

建屋を壊して火にくべて炊く

それが至上命題なる

水をさすようですが

こまめに出汁を足さねばならぬ

まる一晩の寝ずの番

積みあげられていた薪も見事数えるほど

銀盆に捧げもって饗ぜられた芳しい丸鶏

その名はサム・+ゲタン