2009年12月3日木曜日
朝が来た
枕もとの時計を見ると3時30分だった
ネコがないて朝ごはんを催促している
ベットの上には先日から読みかけの小説がぞんざいに置かれていた
気になることは山ほどあるが
とりあえずトイレにいくべきだった
トイレの薄暗い明りの中で用を足す
冷蔵庫の中はろくなものが残っていなかった
日付の過ぎた食パンとビールしかない
とりあえずビールを流し込み息を整えた
洗面所には彼女の置手紙が置いてあった
『夜明け前には家を出ます、しっかりと麻ご飯を食べなさい』
と書いてあった
しっかりと?
あの冷蔵庫の中身でどうやって豊満なご飯が食べられるというのか?
仕方なしにビールを片手に戸棚をあさると
オイルサーディンがあったのでヒャパッとあけてフォークで一切れ筒食べた
汁はパンでこそぎとった
ネコが缶詰の音を聞きつけて足元へ擦り寄ってきた
お前のモンじゃないだいたい塩分が高すぎる
やんわりと足蹴にしてドライフードをさがす
ビールはもう飲んだ
空き缶を流しに置くと
そこにも付箋があった
『お風呂のタイマーを19時にしておいてください』
とのこと
うんざりしてもう一缶ビールを飲み始めた
ネコはあいかわらず
エサが見当たらなかったので
鰹節を一掴みあげた
病院に行くまではまだ時間がある
診察券と保険証をもった
タバコとライターをポケットに入れる
病気が悪化していなかったらいいんだけどなと思った
全部自分のせいだけれど
こうして徐々にカラダが衰えていくのをむなしくマッテイルだけというのは
片足を棺おけにつっこんでいるようだった
窓の冊子から
差し込んでいる日差しがまばゆい
今日はよい日になるだろうか
そうだ
お風呂のタイマーをセットするのを忘れていた
万が一のことがあったら彼女はどういう顔をするだろうか?
あっさりとボクのことなど忘れて次のヒトと付き合って幸せになって欲しいと思う
生きながらえていて欲しいと思う
ビールを飲み干して外に出るドアをあけた
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