朝はやおきしてしっかりと朝ごはんをたべてから、君のところへ電話した
話していたら遠い夢でみた海洋救助隊に助けられるのだが、救助ロープが短いので
レスキュー隊員と3人でどうしようかと考えあぐねていた・・・と,そこで話が横にそれているのに気づいた
だって君が電話の向こうでホウホウ?ナルホド、ソレデソレデ?と聞き上手なせいだからねッというと、そうだね、と答える
毎回繰り返しているような気がする
とにかく手のひらについたマーマーレードーを嘗めとりながら「いくよ」といったら「わかってる」
で同時に電話を切る、食べながら喋るのよくないよ、と母さんから言われながら
濡れてもすぐ乾く下着と分厚い靴下2重にだしてもらって
中綿がしっかりしたフロックコートを着て首まで、ぼたんを
父からもらった竿たれる
君はお兄ちゃんの竿を借りてきている「おっきすぎるのが釣れて竿が折れたらどうすんの?」ときいたけど、笑って、笑って早く準備しよう
せーのではじめようって
魚が多く釣られたほうが勝利の証し
匂いのついた消しゴムを奪還するほどの
力の入れよう
イカロス
無心
湖水に垂れる糸の先揺らす
波紋
心おきなく終始した
朝になっても
湖表に霧
カチカチになった指先と真っ赤な耳
ボート小屋の中に入ったり
無熟な苔を痛めないように淵に立ちん坊
長く延ばした桟橋で足をぶらぶら
長靴脱げそうで脱げない
凶暴なパイク
について考えてみる
きのうのベットで図鑑を読んだ
淡水、南米、アマゾン、濁った河に生息、体長オスなら4m、メスなら2m、肉食、弱った子牛やあぶくをたてる子どもたち丸呑み
満足した夜は、河底で、豊かな夢をたくさん観て眠る
歯がギザギザであって
ヨーグルトが苦手
なのは僕
と彼
干しぶどう入れないと食べられない
妹は食べられる
まだ小さいのに、幼稚園児なのに、図鑑も読んでないよ、絵だけ
朽木に腰掛けて2人
糸を垂れる
病気をしていた時の話になった
7度9分だって
寒い
けど汗かいて
なんども母さんに起こされてパジャマを脱いで
汗だく
なのを痛いくらいこすられて、寝かしつけられて、辛いけれど幸せだったの
魔法陣の書きかけのノート、みられてないかな、友だちの暗号ノート、父さんにみせて「ナニコレ」って笑われたのは
残酷
シチューの煮えた匂い
胸がドキドキとなって、じっとしている場合じゃなくって、妹をいじめようかと布団をとると母さん座ってみていたので
そのまま寝床「悪い夢みたの?」
「ううん、闘牛の夢」
「バルセロナ?」
「牛のほう」
「バカだねぇ」
「刺さるといっぱい血が出た」
当たり、君が立ちあがって声をあげる
張つめた糸が琴鳴った
ギリギリだった。友だちが背を反らして
竿をおもいきり立てている
全巻揃った図鑑が本棚に並んでいる
クノッソス神殿
霧の中でお互いよくみえない
水面でなにか暴れている
釣れたのは青鱒、塩で焼いて食べると
おいしい
彼は興奮気味に、霧の中で、まわっている
空か
空気が
なんか青い
狭間がわからなくなって抱きついた「やめろぉ!」
湖北
ポケットからキャラメルを出してわけて
たべる
随分と釣れたんだ、赤鱒と青鱒2匹イワナの小さいのが3匹、知らない小魚が3匹
ビクの中であがいているの
君は笑ってサンドイッチを食べながら
昨晩
大鍋が割れて、お父さんがお母さんの髪をひっぱって泣かせているのを黙って聴いていたんだって、イスも1つ壊れていた
ポットから紅茶の湯気
「僕が作ったマグカップを投げるのをよしたのさ、パパ」かわりに頬に痣をつくったお母さん
「許せないのはお酒だよ」
友だちは玉ネギをよけながらつぶやいた
「なんであんなもの売ってるんだろうね、困ったもんだ、よ」紅茶ぐびり
カタコンペ
鱒のグリルは甘酢をからめて食べるのが好きだ、あいかわらず霧が立ちこめて
獣道しかみえないけれど
曲がり角まで並んで歩いて
「じゃぁね」
「ないしょだからね」
「わかってる」
お兄ちゃんの竿を折ったこと
色が違うけれど僕のと交換したこと
鵞鳥が死んで浮いていた
重いビク
全部
内緒
重いビクをかついだ着膨れの君と、別れた
wrought by蟲