言語の螺旋

言語の螺旋
陰陽五行でいうところの水の流れがいいところ

2009年10月18日日曜日

裏切られた弾道と輪廻


みょうちくりんな髭を生やした男がいた


男は初老だった


背中を丸めて小豆色の帽子をかぶっていた


帽子は毛玉のついたニット帽だった


男は溜息とともに自分の過去を訥々と語った


その間幾筋もの紫煙が空にはかれた


とても根気がいることだった


ジャケットにも安物のタバコのにおいが染み付いてしまった


ヒトが幾年生きるということは


だれかの数十分の間に


タバコの煙を吸い込ませるということだと思われた


男はお茶代も払わずに店を出て行った

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