2009年2月4日水曜日
たれか故郷を思わざる
懐かしい乾いた空気が鼻腔を刺激する
夢の中で出会った少女は姿しぐさ口調をかえず生意気なことをいう
馴染まないのはそこがすべて鋼鉄でできた箱庭だからだった
手に触れるものが恐ろしく冷たい
ちょっと触れただけで体温が奪われ背筋に震えがおこるようだった
「つまりあなたは金輪際私と口を利かないということをきめたのね?
鉄の壁はその声を吸収することなく反響してうねり鼓膜を振るわせた
ほんのちょっとつぶやいただけなのだろうけれども
「一切の発言も無意味だと?
切なさが鼓動を高くし喉元を締め付け苦しみが若い頃の記憶を蘇らせた
一つ明確に言えることそれはこの場所では誰も死ななかったということだった
それだけでも十分すぎるくらい幸せなことなのだった
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