言語の螺旋

言語の螺旋
陰陽五行でいうところの水の流れがいいところ

2010年3月31日水曜日

短歌「散る花」


朧月
 かしげる首と
 わたしは鏡にうつり嘘くさく笑む

この夜限りの宴
 果たして今は
 床何処なのだろうか

表現をやめて
 ふさわしい生き方を見つける
 窓に映った寂しい背中と

マーチを走らせてみて
 行き着いたのは
 それはそれは肌寒い峠の路肩だったよ

真面目な顔なんかして
 愛してるなんて
 また嘘をついたわたし
 をまだ愛していますか

はにかみながら振り返る
 鞄が揺れて肩にぶつかる
 素直になれないから
 午後の紅茶をおごってあげる

温かい手のひらの中で
 産声をあげた生命線
 今からが生きていく本番だったりして

タオルケットがずれて妙な姿勢で寝ていたものだから
 不吉な音で咳き込んでみたよ
 あと何日こうしていればいいんだろう

耳掻きはスキ
 君の顔を下から眺めていられるからスキ

両方いっぺんに頼むから
 まとめて片付けてみた
 わりかしわたしは器用なんです
 仕事だけでは

花が咲いた
 散るのを待つ
 凛と凍えるような冬が恋しいから

わき腹が痛むのはいつものこと
 ごうんごうんと
 細胞が溢れてきているんだよ

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