言語の螺旋

言語の螺旋
陰陽五行でいうところの水の流れがいいところ

2011年6月3日金曜日

笹井宏之 短歌「標」

一様に屈折をする声、言葉、ひかり わたしはゆめをみるみず


一人ずつ
 死んでしまえばいいのになんて
 救世主なんだから
 冗談ですよ


トマト
 をかぶりつくときは
 谷
 渓谷
 峰
 お山を登るきもちでないとね


がっくりうなだれた君の
 うなじがあまりにも綺麗だから
 噛みあとをつけて
 標とするよ


きびすを返す
 もう夏なんだなって思う
 半ズボンでちょうどよい
 文庫本のしおりなのだ

はずかしながら
 ボクは
 ゆめをみる
 声
 ヒトです



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