I’m
crying.(創作詩)
ウシャシャ
生まれいづるはふわふわの綿毛?羽毛
目があった
黒くて澄んだはじめての凝視
風なびく
はじめての風
ピザ窯の上には、雌どり、滑稽に首をかしげて比べてみている
煙突の上には、もちろん雄どり胸を張った喉の奥から今の気分
うたう
幼くかすれた声のわがきみに鼓膜ゆらせようと空に翔びたたんとするほどの力強い羽ばたきで声を張る
土間が窯の熱で蒸され朦朧する
ははは地べたの小さな石をまるでだいじなタカラモノ探しのようにいちいちほじくり、ぞんざいに放る。
風なびく
父翼翻りトサカぶれる
母恍惚の熱の中次の卵ひっくり返す。
「ワタシハチチデアル」
喉元までせり上がった声をして風にむかって鳴く
掃除を終えて菜っ葉をおいた。
小屋去る
もちろんひよこ
ついてくる
父然
風にゆられない父が泣く
〈了〉
12.08.10mushi_write
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