言語の螺旋

言語の螺旋
陰陽五行でいうところの水の流れがいいところ

2013年2月2日土曜日

創作詩「疲れたところに食を持つ、おやつも」



「つかれたところに食をもつ、おやつも」
時が24の区画に整理され
大人しやかなヒトを仕切ってしまいこんでいく

疲労というものは小さな取手のついた真四角
な抽斗の中に木綿豆腐として詰まっている
ほんのり生姜の薫りをさせながら
昆布だけをもってして
ほとんどそれはお湯じゃぁないかというほどの薄さで
しょうゆ一滴
たらさず
しんどいという形容の中に
落とし込んで煮つめていく
煮つめる
とはいっても
ふたをしてからほんの少しぐらっっとひと煮たちさせるだけであって
煮たつということは
煮込むということではない
実際それは煮つめていない
やはりそれは
しんどさというものは
しんどさというものは
しんどさしんどさしんどさー

体に内包せる疲労困憊コンパイル
とろろ昆布に似た根昆布
ニトログリセリンといれ間違えたヨロ昆布
パラマウントベットのようなふかふかさ加減にまとわりついた出汁昆布

微妙無花果簾門
御簾の向う影にてうすら笑み
をのこ
ネズ鳴きの問いたるところ
「キタ枕ノホウガ運勢ニヨイ?」
どうやら少しのつぶら
な瞳にいて

お前の中のその24の区画の時の流れ
今まさに終わらんヤ
敢に計らんヤ
いづくんぞあらんヤ
中大路欣ヤ

せめてもの所謂ところには
やれ
とか
やれやれやれ
とか
やってやろうじゃぁないか
やってよ
なんていうのは
ひとのおもいつきの口から出た勢いなのであって
ボクというものはつくづく人柱
なのだなとおもいながら
行為の範
とびこえる
手先となって行動するよ

時は24
の区画に整理されている
その24
の区画からはずれたものは
数万単位での不可視明度範疇外眼鏡淵外
ずれた時間のもつれあい不具合
目をつぶるべき
顧みるべきではないことは判っているけれども
十全に成し得なかった
いわゆるたらぬところ
なしえなかったもの
はかなしうかな
叶う、し、哉
哀しう、哉

つかれた
つかれたとおもう
つかれてなんかないやい、ともおもう
つかれてませんし
じっさいつかれてなんかないですし、
いないのだからだからしてつかれてない

時というものはところてんである
底の丸い深くて黒塗りのお鉢
うえからしたへ重力のながれにて落つ
ひゃぱりひゃぱりとところてん
あまくてとろみの中の黒い汁にて
落つ
喰らう

<了>

青山蟲士13.01.31

0 件のコメント: