言語の螺旋

言語の螺旋
陰陽五行でいうところの水の流れがいいところ

2009年9月8日火曜日

ナイチンゲール

光が射す

遠い西の熱帯地方の山村で

民族同士の争いからだった

牛が43頭奪われ占い師の小屋以外はすべて燃やされた

いずれにしても一方的ではない

相手の部族では万屋と飯屋が荒らされ少女はみな人質に取られた

国際医療というものを考えるときに

言葉の壁はもとより精神論の違いから来るもしくは宗教的な束縛による不可侵なことが数多ある

お互いに夜になると大きな薪を焚き戦士が交代で門の前にたった

勇気

という言葉を

もう一度深く考えてみよう

ある時代にその勇気を振り絞り国から飛び出した女性がいたことを誰もが知っているはずだ

大切なことはその一歩を踏み出すこと

できることはその場で最良の判断をすること

できるならば運命を占いなどに頼らないこと

人質になった娘たちは次第によその村に馴染み

そのたった一人の看護士にも信頼を置くようになった

残念ながら牛は戻ってこなかったけれども

お返しに羊を72頭送り返した

ある乾期の宵のことあちらの村の村長が戦士を連れずに一人でやってきた

その看護士に助けを求めるためだった

食べ物ならいくらでもやる

鶏なら20羽与えてもいいという

とにかく小屋を作るためにその村の男手を貸して欲しいというのだ

看護士は片言で村長に伝えたのは

「いきなさい、タスケナサイ、薬はまだアリます、それから・・・」

村長は口をあんぐりとあけてにごり酒を飲み干し戦士を呼ぶよう12番目の息子に伝えた

いつかはその村と村の間には道ができ

人が行き交うようになり昔話をするたびにその看護士の事が口に出るのだった

看護士の最後の言葉は英語だったので誰にも理解できなかった

・・・peaseful

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