「パンを上手く焼くいぜんに失敗したの詩」
乾いてばかりいられない
腐肉土瘴沼浸る浄水
気化せられた溜息
いつにもなくしてこみあげた嘆息
いつだって未練
手で練られた小麦愛しい
指の先にねばりつく
名もしれぬ菌類君
大地に帰せずしてタオル地にて死す
水道水にて産声止む
安易で愚直な立ち居振る舞いにより
刹那
命燃ゆることなく鎮魂す
いのちのかぎりなんていいから
もういちどふくらんでおくれよ
小麦の粉でばかりだなんて愛おしすぎてシンクにのたうつ菌類君
燃ゆる電子釜内
次元転換せしほど
久遠なまでに永遠去る、さかる
あなたの家のドアノブが
外視野線目の淵わずかの
あみだくじ
2本目3本目
指先張り詰めのばしつつ遠ざかる
味わいつくせないほど
パン以外のものの身になり
果つ
未練。
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